業務報告にとどまらない「対話」の場へ
社員一人ひとりの可能性を引き出し、組織全体を活性化する手法として注目を集める「1on1ミーティング」。
株式会社メディアセットでは、代表・根本正博氏のリーダーシップのもと、この対話の文化を核とした組織変革を進めている。単なる業務報告にとどまらない「1on1」の本質と、それが企業と社会に与えるインパクトとは──。
株式会社メディアセットが実践する1on1は、従来のような一方通行の報告・指示の時間ではない。
「1on1とは、互いの信頼関係を深め、課題や悩みを共有し、成長のための具体的な支援を一緒に考える場です」と語るのは、同社代表の根本正博氏。
彼のマネジメントの根底にあるのは「人を理解し、信じ、活かす」という信念だ。形式的な会話ではなく、社員一人ひとりの背景や価値観に寄り添う対話が、1on1を信頼の場へと進化させている。
信頼が組織力を生む
根本氏は、組織課題の多くが「コミュニケーションの不足」から生まれると指摘する。
特にリモートワークが浸透した現在、ちょっとした雑談や自然なやりとりが減り、社員同士・上司部下の心理的な距離が広がりやすい。
この状況に対し、メディアセットは1on1の時間を「意図的に確保する」ことで応えている。
そこでは業務の進捗確認に加えて、キャリアの相談やプライベートな不安も含めた幅広い話題が扱われる。
若手にはスキルアップの機会を、ベテランには新たな挑戦を──。個別に最適化された支援が、社員のモチベーションとエンゲージメントを高め、離職率の低下や生産性向上といった成果につながっている。
上司も学ぶ、双方向のコミュニケーション
メディアセットの1on1のもう一つの特徴は、「上司が学び手になる姿勢」だ。
一方的なアドバイスではなく、部下の声に真摯に耳を傾け、組織や経営の改善に反映していく。
この双方向のやり取りが、社員の主体性を引き出し、「誰もが意見を言える」風通しの良い社風をつくっている。
1on1文化が広げる、社会との共創
こうした社内文化は、社外との関係構築にも活かされている。
地域社会、行政、NPO、教育機関など、多様なパートナーとプロジェクトを進める際にも、「まずは相手の声を聴く」ことからスタートする。
信頼は、すべての協働の土台となる。
対話を重ねることで、異なる立場や価値観の中に共通の目的を見いだし、真の意味での「共創」が実現されていく。
小さな対話が未来を変える
1on1は、あくまで小さな場にすぎない。
しかし、その積み重ねが個人の力を引き出し、チームを動かし、組織を変え、やがて社会全体の価値観をも変えていく。
メディアセットの取り組みは、組織運営の一手法を超えた「新しい社会のありかた」の実装そのものだ。
未来志向の企業文化をどう育てていくか。
その答えは、意外にも一対一の静かな対話の中にあるのかもしれない。
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